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教育コラム 通信制高校の公立と私立の違いとは?

公開日:2024.09.30

通信制高校にも公立と私立がある

通信制高校にも、公立と私立があることをご存じでしょうか。学校選びにあたり、「どちらをどのような観点から選べばよいのだろう?」と悩むケースもあると思います。希望や条件にマッチする通信制高校を選ぶために、両者の違いを把握しておくことは大切です。

この記事では、公立と私立の通信制高校の違いや特徴、選び方のポイントを解説します。ぜひ、学校選びの参考にしてください。

通信制高校にも公立と私立がある

通信制高校にも公立と私立がある

全日制高校に公立と私立があるように、通信制高校にも公立と私立が存在します。 現在日本には、それぞれどのくらいの通信制高校があるのでしょうか。文部科学省による調査結果や資料をもとに、公立・私立の通信制高校の特徴を数字で確認してみましょう。

公立 私立
学校数(独立校) 6校 125校
学校数(併置校)※1 72校 86校
学科数 91学科 229学科
生徒数 57,437人 207,537人
単位修得者数 31,831人 179,376人

※1 併置校:全日制課程または定時制課程を置く高校や、全日制課程と定時制課程を併置する高校に併設されている学校

全体的に、公立に比べて私立の選択肢が多く、規模も大きい傾向にあることがわかります。

在籍3年での卒業率については、以下の通りです。

卒業率(在籍3年)※2

公立:約64%
私立:約90%

※2 平成28年度入学者数と平成30年度卒業者数をもとに算出

公立の通信制高校が約64%であることに対し、私立では約90%です。この開きには、後述する各種サポート体制などの違いが影響している可能性が考えられます。

通信制高校の公立と私立の違い

通信制高校にも公立と私立がある

通信制高校の公立と私立には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、以下の切り口から両者を比較します。

  • 学費
  • 勉強方法・サポート体制
  • 登校日数・学習環境の自由度
  • 専門科目・総合学習

学費

通信制高校の学費の一部である授業料は、1単位あたりで設定されています。

公立の場合、1単位あたりの授業料は都道府県によって異なり、180~1,200円程度となります。東京都を例にあげれば、入学金は500円、授業料は1単位あたり336円に定められています。通信制高校を卒業するには74単位以上単位を修得する必要があるため、公立の学費合計額は諸経費等含め10万円程度になります。

私立の場合、1単位あたりの授業料は7,000~1万2,000円程度、入学金は1万~5万円程度となります。他にも教材費や施設設備費等の諸経費かかり、費用は学校によって大きく異なります。

なお、公立・私立を問わず、条件を満たせば就学支援金を利用して学費を抑えることが可能です。単位制授業料における支給期間や限度額は、次のとおりです。
私立の場合、所得に応じて支給額が変動する仕組みとなっています。

公立 私立
支給期間 48月 48月
支給限度額 336円/単位
※通算74、年間30単位まで
4,812円/単位
※通算74、年間30単位まで
加算額 7,218円/単位
※通算74、年間30単位まで

勉強方法・サポート体制

公立の通信制高校では、「生徒は中学校卒業程度の学力を有している」ことを前提として学習を進めることが一般的です。勉強方法も、自主学習がメインです。
スクーリングによる登校日数は週に一度、月に数回という学校が多く見られます。そのため、学習内容や勉強方法などに不明点や不安があっても解消するチャンスが少なめで、自力での解決を求められる傾向にあります。
サポート面では、カウンセラーなど精神面をフォローするスタッフが常駐している学校ばかりではない点も理解しておくとよいでしょう。

一方、私立の通信制高校では、学習面と精神面の双方のサポートが充実している傾向があります。
例えば学習内容への理解を深めるため、「スクーリングの回数を増やして対応」「中学校の内容までさかのぼって教える」「インターネットを通じて質問可能」といったサポート体制を整えている私立も少なくありません。

登校・学習環境の柔軟さや自由度

登校・学習環境の柔軟さや自由度も、私立の通信制高校のほうが高めです。

公立では、事前に決められた日程に登校してスクーリングや期末試験を受けなければ単位が修得できない、というケースが少なくありません。何らかの事情から登校に不安を抱えている生徒の場合、単位の修得が難しい可能性もあるでしょう。

一方の私立は、学校への登校頻度を選べたり、スクーリングの登校日を調整できたりするなど、柔軟に対応する学校が目立ちます。単位の修得に必要なレポートもインターネットを通して提出可能な学校が多いため、「できる限り学校に登校する回数を減らしたい」といった希望も叶えやすいでしょう。

総合学習

公立の通信制高校では、宿泊行事や文化祭など、生徒同士が触れ合いながら学校生活を楽しめる行事や学校外活動が用意されていることが一般的です。これらの行事に参加すれば、特別活動として単位を修得することが可能です。

私立の通信制高校でも、各種行事や学校外活動など、公立と同じようにが用意されている学校もありますが、単位修得の対象活動か否か確認する必要があります。任意参加の活動も多く見受けられます。
専門的な学習を希望の場合、大学受験対策コースをはじめ、美容・調理・芸能・プログラミングなど専門分野を学べるコースなど、多彩なコースが用意されている学校が多く見受けられます。学校ごとの特色があるので、興味関心のある分野を学べるかを含め調べてみると良いでしょう。

公立の通信制高校の選び方

通信制高校にも公立と私立がある

公立の通信制高校を検討している場合、どのような基準から学校を選べばよいのでしょうか。結論からいえば、「住んでいる地域の高校を選ぶ」ことが基本です。

令和5年度の学校基本調査によると、日本各地には計78校の公立通信制高校があります。公立の通信制高校は地方自治体の予算で都道府県が運営しているため、入学できる生徒は「該当地域に住んでいる人または在勤者」が対象です。

通信制高校には「広域通信制高校」「狭域通信制高校」の2種類があります。

  • 狭域通信制高校:「本校所在地(学校所在地)の都道府県+隣接する1都道府県」の地域に在住している方が入学できる学校
  • 広域通信制高校:「本校所在地(学校所在地)の都道府県+2都道府県以上」の地域に在住している方が入学できる学校です。私立の中には、全国から受け入れている学校もある

公立の通信制高校の多くは「狭域通信制高校」にあたります。公立の通信制高校への入学を検討している場合、住んでいる地域の学校が入学対象校となることが一般的なため、通う学校の選択肢が限られる点には注意が必要です。

私立の通信制高校の選び方

通信制高校にも公立と私立がある

私立の通信制高校は公立とは異なり、「広域通信制高校」が一般的で入学対象者が居住地域に限定されないことが多く、幅広い選択肢があることから学校選びに迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
私立の通信制高校を検討している場合は、「目的から学校を選ぶ」ことが基本です。具体例で確認してみましょう。

目的 おすすめの選び方
自由なスタイルで学びたい 登校日数やスクーリングの自由度の高い学校を選ぶ
興味のある分野について学びたい 専門知識を学べる学校を選ぶ
友人を多くつくりたい 学校行事やイベントの多い学校を選ぶ
大学に進学したい 受験指導を受けられる学校を選ぶ
学力を伸ばしたい 学習サポートの充実した学校を選ぶ

私立の通信制高校は、それぞれの創立理念に基づいて運営されています。学校ごとに特色があるため、学校の考え方や校風を参考にしてみてもよいでしょう。

通信制高校ならルネサンス高校

通信制高校にも公立と私立がある

ルネサンス高校は、茨城県・愛知県・大阪府に本校を構える、私立の通信制高校です。
通学スタンダードコースをはじめ、eスポーツ・美容・プログラミング・K-POP・代アニ・ダブルスクールといった多彩なコースをご用意しております。

「人と異なることが人に劣ることではないように、学校の在り方にも多様性が必要」という創立の思いを大切に、多様性を尊重した学びで生徒一人ひとりを応援いたします。

まとめ

通信制高校にも公立と私立がある

公立の通信制高校は、学費がリーズナブルである点が強みといえます。住んでいる地域の学校が入学対象校となるケースが多く、選択肢は絞られるでしょう。
私立の通信制高校は登校や学習環境に関する自由度が高く、勉強方法やサポート体制などが充実している点が魅力です。学校ごとに特色が異なるため、目的に合わせて選ぶとよいでしょう。

本記事で紹介したポイントをふまえ、自身に適した通信制高校を見つけてください。

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